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コラム

千里ニュータウンの12兄弟姉妹

千里ニュータウンは、吹田市側は8つの「台」がつく町、豊中市側は4つの「新千里~町」がつく町、あわせて12の「住区」から出来ています。(千里ニュータウンとして計画開発されたエリアと町名の間には、ごく一部のずれがありますが、ほぼ重なっています。)

それぞれの「住区」は「近隣住区論」という理論にのっとり、徒歩圏内でひととおりの生活が完結するよう、またそれぞれの「住区」が人口約1万人になるよう、計画されました。原則として「住区」の中心部には集合住宅が、周辺部には戸建住宅が配置され、より多くの人が短い時間で町の施設にアクセスできるよう、工夫されています。それぞれの住区でアクセスしやすい場所には、商店街や郵便局、集会所などをまとめた「近隣センター」や小学校、診療所などが置かれています。

「住区」は3つ~5つの単位で、「地区」にまとめられています。佐竹台、高野台、津雲台、竹見台、桃山台からなる「南地区」、古江台、藤白台、青山台からなる「北地区」、新千里北町、新千里東町、新千里西町、新千里南町からなる「中央地区」で、それぞれの「地区センター」が、南千里、北千里、千里中央の駅前にまとめられています。

公園の配置も、住区ごとに中規模の住区の公園が、地区ごとに大きな地区の公園が置かれ、この理論にしたがっています。

千里ニュータウンは、計画都市らしく、理論に忠実に、整理されて造られているのです。「近隣住区論」は日本中・世界中のニュータウンや住宅都市で設計理論の柱とされたため、そのような町を訪れると、いつのまにか千里ニュータウンに迷い込んだような「なつかしさ」を感じることがあります。

実際の町の変化は、マイカーが普及してより大きな施設に人が集中するようになってしまったり、理論とは違う展開になっていることもたくさんありますが、「徒歩圏内で安心して暮らせる」基本の骨格は、今でも千里ニュータウンの「暮らしよさ」を支えています。

「住区」の概念図

「地区」の概念図

12の町名が「住区」に対応している