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コラム

ニュータウンを「再生」するということ

千里ニュータウンは高度経済成長期の人口増加と住宅需要の急増に応えるため、1962年~70年の8年間で一挙に開発・入居が進められました。その時期に所帯を持ったり住宅を買ったりする年齢だった世代が多く入居したため、ニュータウンの人口構成は特定の世代に大きく偏ったまま歳月がたちました。そして…

今世紀に入る頃から、「急速な高齢化」が大きな課題となるようになりました。また、初期の住宅は「量」の短期供給を重視し、その後の生活水準・建築水準が著しく向上したため、住宅の老朽化・陳腐化も、放置できない課題となりました。

そこで出てきたのが「ニュータウン再生」というキーワードです。千里は「最初のニュータウン」でしたから、再生の方法も、自分たちで切り開かなくてはなりませんでした。各方面の検討によって、再生指針やガイドラインが作成され、2006年頃から「集合住宅の大規模建替」が進められるようになりました。千里中央など、地区センターの更新も進められました。

しかしハードを更新しただけでは、町はよみがえったことにはなりません。そこには並行して「ソフトの再生」が必要でした。それは、行政だけでできるものではありません。

千里ニュータウンは開発当初から、住民自身による活動が活発な地域でした。各地から集まった「全員が寄せ集めの町」でしたが、開発を急いだために初期は「足りないこと」も多く、「新しい町を自分たちで作っていこう!」という気風も育ちやすい環境になったのです。

自治会や公民館などでの活動、2006年吹田市立博物館での「千里ニュータウン展」、2012年の「千里ニュータウンまちびらき50年」、両市民による「千里市民フォーラム」「千里キャンドルロード」「灼熱!!ウォーターバトル!」「せんちゅう芝生Night Theater」など、千里では多彩な市民活動が展開されています。

これからも千里では「次の時代」の活動が生み出されていくことでしょう。それが千里という地域なのです。

千里中央の再開発も進んでいる 2018

撮影:奥居武

「まちびらき50年」から始まった「千里キャンドルロード」 2015

撮影:松浦弘昌

「灼熱!!ウォーターバトル!」 2018

撮影: 田畑千鶴

屋外映画上映会「せんちゅう芝生Night Theater」 2019

撮影: 奥居武