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コラム
(北摂アーカイブス)3.近隣センターにあった銭湯
1964 撮影:神谷昭六
初期の千里ニュータウンでは、府営住宅などには内風呂はありませんでした。その代わりに設けられたのが、近隣センターの銭湯です。この写真は、佐竹台近隣センターにあった「菩提湯」の入口です。背後には府営住宅の団地が見えています。銭湯に通うことが前提になっていた府営住宅は、湯冷めしないよう近隣センターの近くに配置されました。12住区のうち、府営住宅が置かれなかった津雲台と新千里西町、近隣センターが隣の桃山台とセットで計画された竹見台以外の9住区には、それぞれ銭湯がありました。
銭湯はコミュニティの楽しい社交場でもあり、近隣センターにとっては「にぎわい」を生む要素でもありました。
しかし社会の生活水準が向上し、簡易ユニットバスの普及や府営住宅の増築によって、千里ニュータウン内の銭湯は1980年代以降、姿を消しました。その跡地の多くはマンションなどになっています。
(関連コラム)「銭湯とバスオール」もご覧ください。→こちら
●「北摂アーカイブス」は、貴重な記録写真から、北摂の移り変わりをインターネット上で見られるコレクションです。「吹田市・豊中市千里ニュータウン連絡会議」は、千里ニュータウンの住民や関係者などから多くの写真を集め保存し、北摂アーカイブス内の 「千里丘陵コレクション」へ写真を提供しています。1960 年代以降、日本でも最も激しく変貌した千里ニュータウン。その内外の様子をピックアップしてご紹介します 。