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コラム

(北摂アーカイブス)1.夕日と造成現場

1965 撮影:神谷昭六

荒涼とした造成現場、迫る夕暮れ、荷物を担いで帰ってくる工事の人たち…まるで地球上ではないかのようなこの光景は、夕日の方角、向こうの林がニュータウンを取り囲む周辺緑地(千里緑地)だとすると、おそらく新千里南町三丁目付近ではないかと推定されます。

1955年に日本住宅公団が設立され、千里以前にも「大規模団地」が造られるようになっていましたが、大阪府による千里ニュータウンの計画は、それらをはるかにしのぐスケールでした。1,160ha。甲子園球場約300個分。この開発では「全用地買収方式」が採用され、林や田畑だった用地は、公園などに取り込まれたごく一部の丘や池の周辺を除いては、このようにいったん緑をはぎ取られ、元の地形を生かしながらも、なだらかに造成されました。「新しい町を造る」ことのすさまじさが、この1枚からは伝わってきます。

北摂アーカイブス」は、貴重な記録写真から、北摂の移り変わりをインターネット上で見られるコレクションです。「吹田市・豊中市千里ニュータウン連絡会議」は、千里ニュータウンの住民や関係者などから多くの写真を集め保存し、北摂アーカイブス内の 「千里丘陵コレクション」へ写真を提供しています。1960 年代以降、日本でも最も激しく変貌した千里ニュータウン。その内外の様子をピックアップしてご紹介します 。

・「北摂アーカイブス千里丘陵コレクション」は→こちら(写真多数!)
・この写真のデータは→こちら