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コラム

千里をいろどるアート作品(1-大きなアート)

千里ニュータウンの公園や駅前などには、大小のアート作品が多数設置されています。その中で「大きなアート」を、北からご紹介します。

千里北公園の中で、金蘭学園の前あたりの丘の上にそびえているのが『風の道』(新宮晋作)。高さは20メートルもあります。風を受けてくるくる回転し、上半分も傾くようになっています。新宮さんの作品は、千里中央公園の体育館前や、関西空港にもあります。いずれも自然の風を受けて姿を変えるのが特徴で、見ていると飽きることがありません。

北千里駅前、バスターミナルの入口には『集(つどい)』(植木茂作)があります。この作品の見どころは照明が入っていることで、日暮れ時がおすすめの鑑賞タイムです。人々が集う駅前にふさわしい、あかりの集合体です。

千里中央公園の体育館の裏道を上っていくと『あほんだら獅子』(流政之作)が出迎えてくれます。石造りで、重さは130トン。作者の故郷である瀬戸内から石材を運び上げられました。千里は大阪から鬼門の方角にあたるため、魔よけの意味が込められています。

千里南公園、阪急電車の千里トンネル南入口の近くには、金色の『日と風と雨に』(辻晋堂作)を見つけることができるでしょう。18世紀の木食上人が多数の仏像を作ったのにならって、世界平和への祈りが込められています。

上記4作品はいずれも、1970年、千里ニュータウンの完成記念として大阪府が企業から寄付を募り、設置されたものです。新しく造ったニュータウンが、味気ない造成地から人々が生き生きと暮らす「町」になっていくように、アーチストがそれぞれの願いやアイデアを込め、創られた作品ばかりです。

「アート探し」をしてみれば、千里ニュータウンの楽しみは何倍にも広がることでしょう。

詳しい解説は2021年3月に行ったオンラインセミナーの記録もご覧ください。→こちら

北千里駅前『集(つどい)』(植木茂作) 2019

撮影:奥居武

千里南公園『日と風と雨に』(辻晋堂作) 2019

撮影:奥居武

再開発で姿を消した千里中央『ステンレスの林』(飯田義国作) 2004

撮影:松浦弘昌